アメリカ・シアトル(新体操):Hitomi 「合理的に本質に向き合って目的達成できる」

スリーヴァ ヒトミ (ニックネーム:Hitomi)

国と都市,指導言語:アメリカ ワシントン州 シアトル,英語
職種:新体操クラブの運営とコーチや審判,小学校体育講師
海外指導歴:2010年〜現在
Website: Slyva Rhythmic Gymnastics Academy, Facebook

 

—現在,どのようなスポーツ指導に関わっていますか?

ワシントン州シアトル市で新体操クラブを運営しながら3歳から13歳の子供たちを指導をしています.空いている時間には小学校で体育を教えています.新体操の試合のシーズンには大会で審判をしたり,他のクラブに審判としてコーチ指導に行ったりもします.

 

 

—海外でのスポーツ指導ならではの,一番楽しいことは何ですか?

アメリカは人種のるつぼ,個性的であることも評価される国なので,子供たちの個性のレベルが半端ではありません.度肝をぬかれるような言動を多々目,耳にします.子供は皆かわいいのでいつも最後にはおかしくなって笑ってしまいますが.

もう一つ,海外ならではというなら,日本にいたころより人目を気にせず合理的に本質に向き合って目的達成できる気もしますが,これは知り合いがたくさん近くにいないからでしょうか,気のせいかもしれません.

 

—日本でのスポーツ競技歴や指導歴は?

家の近くに新体操クラブがなかったので,幼少期は体操を習っていましたが,14歳の頃念願かなって新体操に移行.ジャスコに19歳までいました. (オリンピック選手を続出させるジャスコでは活躍の場はあまりありませんでしたが ).大学卒業後はフィットネスクラブのパーソナルトレーナーやインストラクタをパートタイムでしていました.

 

—海外でのスポーツ指導はいつからですか? そのきっかけは?

コンピューター系の仕事をしていたので,IT先進国アメリカのIT業界はどうなんだろう,と思ったのが渡米のきっかけでした.

しかし,渡米後20代後半になって新体操やフィットネスのほうが自分に会っていると実感し,30代になってすぐ新体操クラブ設立の準備を始め,複数の有名なコーチの元にコーチ指導を受けに行きました.今のクラブを設立したのは2年前です.

 

 

—海外でスポーツ指導を始めたときの会話力は?

渡米してしばらく経っていたので,アクセントはありますが指導にはさほど差し支えなかったと思います.

 

—スポーツ指導の会話力向上について,経験談を教えてもらえますか?

他のコーチや専門家が開催するイベントに行くといつも何かしら新しい発見があり,語彙力の向上につながります.

レッスン中には「これ英語でなんていうの?」,「これであってる?」と生徒たちに聞いて直してもらったりもしています.

 

 

—指導に関して日本と違うと感じることを,教えてもらえますか?

ポジティブな指導が保護者にも生徒にも好まれます.習い事に規律や行儀作法を求める保護者はほとんどいません.子供も楽しむためだけにレッスンに来ます.あまりに授業妨害が激しいときは,まず保護者の方に相談して対処方法を決めるようにしてます.楽しいレッスンだけではうまくならないので経営側としては難しい課題だと思います.

 

—これから,どのようなスポーツ指導者になっていきたいですか?

ポリティクス(政治)に巻き込まれない強い精神とステータスが得られるように,技術向上に努めて行きたいと思います.いつか国際審判になって,世界選手権などの大きな大会で審判したいです.

 

 

そちらの国での日本人スポーツ指導者の需要はあると思いますか?

新体操の指導者の需要はあまり多くないのですが,日本人特有のポジティブな指導や,行き届いたサービスは大いに受け入れられると思います.

 

最後に,海外でのスポーツ指導に興味がある人達へのメッセージを.

大きな国でいろんな人がいて多種多様な需要があるので,これだけは絶対負けない,という特技がある方は挑戦してみると良いと思います.外国での生活,言語など不安はあるかもしれませんが,強い信念を持ちながらも感情的にならずロジカルな思考で挑戦することが,あらゆる環境において身を守ってくれると思います.

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