静的ストレッチングが新体操リープジャンプの評価に及ぼす影響(Di Cagnoら, 2010)

静的なストレッチングを行なった後は最大筋力が低下し,その回復には約1時間かかると考えられています.

ただし,静的なストレッチングがジャンプ力を低下させるかどうかは,選手のスポーツ種目によって異なることも知られています.

では,女子新体操選手ではどうでしょうか?

 

Preexercise static stretching effect on leaping performance in elite rhythmic gymnasts. Di Cagno A, Baldari C, Battaglia C, Gallotta MC, Videira M, Piazza M, Guidetti L (University of Molise, Campobasso, Italy). Journal of Strength & Conditioning Research 24(8):1995-2000, 2010.

イタリアの全国/国際レベルの女子新体操選手(38人,平均年齢14歳)について,静的なストレッチング(1姿勢について30秒以上)を行なってからジャンプを行なった場合と,一般的な動的ウォームアップを行なってからジャンプを行なった場合のジャンプパフォーマンスを比較しました.

静的なストレッチをすると,(その場で繰り返し跳ぶ)ホッピングジャンプでの接地時間が8%長くなりました.

また,リープジャンプの滞空時間が7%短くなり,国際審判によるリープジャンプの難度評価点が40%も低くなりました.

英文要約

 

静的なストレッチングを行なった後には十分な時間(1時間以上)を空けないと,新体操のジャンプパフォーマンスが低下し,それによるリープジャンプ滞空時間の低下によって,審判による難度評価点が大きく下がる可能性があります.