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前回はトレーニングから得たもの(プラスの結果とマイナスの結果)について説明しました.
その2「入れたもの」と「出てきたもの」の比
もう一つの重要な(しかし忘れがちな)課題を見てみます.
トレーニングの効率を考える
注いだもの → トレーニング → 得たもの
の流れの中で
トレーニングに「注いだもの」を
入れたもの →[トレーニング]→ 出てきたもの(=プラスの結果 ― マイナスの結果)
におけるトレーニングという[箱]の中に「入れたもの」として考えてみます.
トレーニングに「入れたもの(注いだもの)」には
- 時間
- お金(月謝,指導料など)
- 気持ち(努力,情熱,やる気,がんばり,気合い,我慢など)
- エネルギー(カロリー,酸素など)
などが含まれます.
時間やお金だけでなく,トレーニングには気持ちやエネルギーも注いでいます.
これらの量が大きいほど,トレーニングに「入れたもの」=「注いだもの」が多い
ということになります.
なので,トレーニングで得られるものをキープしながらも
トレーニングに「入れるもの」=「注ぐもの」をいかに少なくし小さくするか
というのが効率的なトレーニングを考え行う上で重要なもう一つの課題です.
トレーニングの効率は
この「入れたもの」に対して「出てきた(プラスの)もの」がどれだけ大きいか
という割り算のような「比」で考えます.
以下のトレーニング効率の公式で示すことができます.

この公式の分母「入れたもの(注いだもの)」が小さいほど
そして分子の「出てきたもの」が(プラスで)大きいほど
「トレーニングの効率」は大きいプラスになり
「効率が高い(良い)」トレーニングになります.
トレーニングから出てくるプラスの結果には,次のようなものがありました.
- 技術の向上
- 筋力や持久力の向上
- 柔軟性の向上
- ポジティブな気持ち(自信,やる気,そう快感など)
分子である「出てきたもの」が(プラスで)小さいほど
そして分母である「入れたもの(注いだもの)」が大きいほど
「トレーニングの効率」は小さいプラスになってしまいます.
つまり「効率が低い(良くない)」トレーニングになってしまいます.
そして,もし分子である「出てきたもの(得られたもの)」が0(ゼロ)の場合
つまりトレーニングの前と後で何も変わらなかった場合(=トレーニングの効果が無かった場合)や
マイナスの結果がプラスの結果を消してしまう程大きかった場合
「入れたもの(注いだもの)」がどんなに小さくても大きくても「トレーニングの効率」はゼロ
ということになります.
「効率が低い」どころか「効果の得られないトレーニング」ということになってしまいます.
時間つぶしやエネルギー消費などを目的としない限り,「やる意味の無いトレーニング」ということになります.
注意!
効果の得られないトレーニングに沢山の時間や気持ちを注がされたあるクラブの選手が
「やりがいの無い努力」
と,つぶやいて悲しんでいたのが心に残っています
トレーニングから出てくるマイナスの結果には,次のようなものがありました.
- 「正しくない」姿勢や技術(クセ)の習得
- 身体面での疲労やストレス反応(体調不良,痛み,ケガ,病気など)
- 精神的での疲労やストレス反応(イライラ,絶望感,うつなど)
ここで
出てきたもの = プラスの結果 ― マイナスの結果
を思い出してみます.
この関係をトレーニング効率の公式の分子にあてはめてみます.

もし,「出てきたもの」のうちこれらのマイナスの結果の方がプラスの結果よりも大きい場合には
分子である「出てきたもの」はマイナスになってしまいます.
分母の「入れたもの」は常にプラスです.
なので,マイナスとプラスの比となる「トレーニングの効率」はマイナスになってしまいます.
これは,マイナスを生み出してしまうトレーニングということです.
やってはいけないトレーニングです.
身体的あるいは心理的な「虐待」と捉えられてもおかしくありません.
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実際は,トレーニングの効率がゼロやマイナスになったりすることはほとんどないでしょう.
プラスの効率の中で大きかったり(=効率が高い)小さかったり(=効率が低い)していることでしょう.
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